著書「野沢尚のミステリードラマは眠らない」

野沢尚のミステリードラマは眠らない野沢尚のミステリードラマは眠らない―あなたにこの物語は書けない!
2000年
単行本(ソフトカバー): 206ページ
出版社: 日本放送出版協会

解説:『眠れる森』『リミット』『喪服のランデヴー』そして、『ネット・バイオレンス』!!この一冊で野沢ミステリーのすべてがわかる!『ネット・バイオレンス』(平成12年度文化庁芸術祭参加作品)覚書からシナリオまで完全掲載。野沢尚の独自のシナリオ創作プロセスが今、明らかに。

著者は少し苛立っている。年間60本以上量産されている連続テレビドラマの内実は、「視聴者にとって最も見やす」く、「1回見逃しても構わない」ドラマだらけであり、「物語る」ことに対して緊張感が欠落しているんじゃないかと。本書は、脚本家として、16年以上かけて養ってきた創作スタイルを公開したものである。話題作となった『眠れる森』、『氷の世界』などを俎上(そじょう)に上げて、そのプロセスを開陳している。
著者が目指すのは、ジグソーパズルのようにすき間のないドラマだ。そのために、「物語を語る」準備の重要性を強調している。瞠目(どうもく)するのは、登場人物の履歴書の作成。そこには、彼らが生まれた日にどんな事件事故が起こったか、までもが記されている。それだけではまだ著者は執筆にとりかからない。番組スタッフへのプレゼン資料としての「企画書」作成、シーンの設計図である「ハコ書き」を経てようやく第1稿にかかるのである。それらは物語を成熟させるために不可欠と著者は考えている。そこまでで最低半年は費やすという。そこからさらに第2稿、第3稿と手を加えていく。それ以上に改稿する場合も多い。脚本家志望者ならずとも、その手数の多さに唖然とするだろう。だが、ここで萎えてはいけない。著者は読者を挑発しているではないか。「あなたにこの物語は書けない!」と。野沢尚からの挑戦状が、ここに届いているのである。一部分引用した文章はこちら



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